知っておきたい古典 その4「能というのは、どういう芸能か」

「能はむずかしい」と、多くの人が思っている。たしかに難しい古語で書かれているし、その演技も舞も音楽も、馴れない耳目にはなんだか不思議な別世界のように映る。私も初めて能を見たときはそう思った。しかし、よくよくその詞章・楽音・演技を味わってみると、じつは私どもの現代生活と全く無縁な絵空事というわけではなくて、生きている限り誰もが直面する喜怒哀楽と真摯に向き合って作劇されたものだと解ってくる。「神・男・女・狂・鬼」と分類される能のコンセプトの背後に、どんな普遍的な「生きている感情」が込められているか、またさらにその背後に、日本人が太古の昔から抱いてきた死生観や神観念がどのように息づいているか、そういう大きな視野から、能という芸能を腑分けしてみたいと思う。解ってみれば、なーるほど、能は面白いのである。

 

講師:林望(作家・国文学者)

会場:OKBふれあい会館14階レセプションルーム

定員:80名

時間:14:00~16:00(受付13:45)

料金:1,000円